本研究はアルツハイマー病(AD)の複数モデル動物を用いた動物実験により神経変性時の生体反応としてのミクログリアを中心とした神経免疫システムの変化を解析し、その神経保護作用の解明と治療応用を目的として開始した。海馬へのアミロイドβ(Aβ)打ち込みモデルマウスを用いた実験では貪食マーカーCD68陽性ミクログリアのAβ沈着部への集積とAβ貪食像を認めた。またADトランスジェニックマウス(APdE9マウス)を用いた実験では脳内Aβ沈着部への活性型ミクログリアの集積を認め、病初期にはミクログリアのα7型ニコチン性アセチルコリン受容体(α7nAChR)発現が増強し、進行期にはCD68の発現増強を認めた。
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