• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実績報告書

腸内嫌気性醗酵ガスによる新規食品機能概念の創生と代替医療への応用展開

研究課題

研究課題/領域番号 24659356
研究機関独立行政法人国立循環器病研究センター

研究代表者

下内 章人  独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (80211291)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード食物繊維 / 呼気水素 / 抗酸化作用 / 水素分子
研究実績の概要

(1)食物繊維を含む食品群の呼気水素に与える影響
玄米・白米・糠を摂食前と直後におけるベースラインの呼気水素は5~15ppmとばらつきがあったが,食直後1時間から4時間後にかけて呼気水素は安定する傾向にあった.しかし,5時間を経過したところから玄米摂食時には呼気水素濃度は徐々に増加し,平均20ppm程度まで増加した.糠と白米の摂食では呼気水素の有意な増加は認められなかったが,玄米摂食では8~9時間後に呼気水素は有意な増加を認めた.玄米食は牛乳やラクツロースほどの呼気水素上昇作用は顕著ではないが,呼気水素の変動パターンは生体内酸化ストレスのそれに類似し,朝食にしっかりと玄米を食することで腸内発酵由来水素分子の果たす抗酸化作用が期待できた.
(2)牛乳摂取時におけるクルクミンの腸内醗酵抑制作用
クルクミン無添加では牛乳摂取後1時間後から呼気水素は徐々に増加し,4時間後にピークを迎え,6時間後には呼気水素濃度はやや低下した.クルクミン添加では呼気水素の上昇は抑制され,6時間後にようやくクルクミン無添加のレベルに達した.同一被験者でクルクミン投与を増やしたところ容量依存的に曲線下面積は低下した.以上から牛乳に添加したクルクミンには腸内細菌叢に対して静菌的作用がある可能性が考えられた.クルクミン添加は呼気水素上昇を緩やかに抑制し一過性であった.乳糖不耐性に対する対処法としてクルクミンの添加が有効であると考えられた.

備考

呼気と皮膚ガスの微量成分分析技術の開発とその臨床応用研究を行っている.独自の高感度生体ガス分析解析システムを開発し、食事,心理的ストレス,嗜好,運動などの種々の日常生活活動が生体ガスに及ぼす影響を探索している.

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 玄米,白米ならびに糠の摂食による呼気水素の変動比較2014

    • 著者名/発表者名
      下内章人,宮道隆,神野直哉,水上智恵,近藤孝晴
    • 雑誌名

      安定同位体と生体ガス

      巻: 6 ページ: 33-38

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Breath Analysis 20142014

    • 著者名/発表者名
      下内章人
    • 雑誌名

      Aroma Research

      巻: 15 ページ: 270-271

  • [学会発表] 牛乳摂取におけるクルクミンの併用効果2014

    • 著者名/発表者名
      下内章人,野瀬和利,神野直哉,山口誠.近藤孝晴
    • 学会等名
      第6回日本安定同位体・生体ガス医学応用学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2014-10-29 – 2014-10-30
  • [学会発表] 玄米,白米ならびに米糠の摂食による呼気水素の変動2014

    • 著者名/発表者名
      下内章人,宮道隆,神野直哉,水上智恵,近藤孝晴
    • 学会等名
      第6回日本安定同位体・生体ガス医学応用学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2014-10-29 – 2014-10-30
  • [学会発表] 下内章,池田大祐,鈴木登,大槻知佐, 野瀬和利,木村郁彦,利川寶2014

    • 著者名/発表者名
      下内章人,池田大祐,鈴木登,大槻知佐, 野瀬和利,木村郁彦,利川寶
    • 学会等名
      第63回日本分析化学討論会
    • 発表場所
      東広島
    • 年月日
      2014-09-14 – 2014-09-14
  • [学会発表] Associations between mental conditions and breath carbon monoxide during night sleep2014

    • 著者名/発表者名
      Shimouchi A, Jinno N, Nose K. Taniguchi K
    • 学会等名
      Breath Analysis Summit 2014
    • 発表場所
      Poland
    • 年月日
      2014-07-08 – 2014-07-09
  • [備考] 生体ガスによる非侵襲的診断法の開発と臨床応用

    • URL

      http://www.ncvc.go.jp/res/divisions/cardiac_physiology/studium_b.html

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi