過剰な鉄は酸化ストレスを惹起するため、このような状態の肝組織からは鉄を排出させることが望ましい。驚くべきことに、鉄の排出にはFPN1と呼ばれるトランスポーターただ1つしか同定されていない。本研究は、新規な鉄トランスポーターを酸化ストレス防御に中心的な役割を果たす転写因子Nrf2の下流の遺伝子に着目して探索することを目的とした。マイクロアレイによる網羅的な解析から、SLC40A1、HFE、FECH、CYBRD1、ISCU、SLC25A37、TFRCが候補として抽出されたが、いずれの遺伝子についても鉄排出には関与しておらず、新規鉄排出トランスポーターの発見には残念ながら至らなかった。
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