研究課題
申請者らは、現在のB型肝炎ウイルス(HBV)治療を補完し重症急性感染に対し即効性のある新規抗ウイルス療法を 創出するため、未だ 十分に研究されていないヒトHBX蛋白を標的とした特異的阻害薬創薬の技術基盤を構築するため研究を遂行し、以下の知見を得た。(1)全長にわたりアミノ酸を網羅的に置換したX蛋白発現系を構築し、培養細胞での発現を確認した。(2) 網羅的にアラニン置換を導入した変異X蛋白によるAP1転写活性化能を解析したところ、HBX蛋白のC末端側への変異導入によりその転写活性化能がブロックされることが確認され、X蛋白側の転写活性化ドメインがC末端よりに存在することを確認した。(3)HBX蛋白のInterferon-alpha(IFN)を介した抗ウイルス応答に与える影響を解析したところ、HBX蛋白はSOCS3, PP2AによるSTAT1/2の脱りん酸化促進によりIFN感受性を低下させることを見いだした。次年度以降も引き続き、HBX蛋白の機能ドメインの探索と分子標的化合物の開発を遂行する。本研究の結果を基に今後、HBX蛋白の機能ドメインの探索と分子標的化合物の開発、変異HBX蛋白発現プラスミドを用 いての細胞増殖、細胞内シグナルなどの解析をおこない、HBX標的化合物スクリーニング系による 阻害活性物質探索を行う。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件)
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