研究課題
肝臓癌細胞株であるHepG2のtranscriptome全体からRNA結合蛋白であるCIRPやRBM3に結合するtranscriptsを同定するために、biotin streptavidin based crosslinking and immunoprecipitation(CLIP) procedureを用いた。簡単に記すと、(1) Tobacco Etch Virus (TEV) endopeptidase cleavage siteの前にbiotin-ligase recognition site(BRS)を持ったCIRPあるいはRBM3蛋白質を発現するvectorと(2) BRS-CIRP (or RBM3)をビオチン化するバクテリアのBirA biotin ligaseを発現するvectorを共にHepG2細胞株にstablyに発現させた細胞クローンを得た。CIRPやRBM3と結合するRNAsはbiotinとstreptoavidinの強固な結合により、UVによってcrosslinkした後、streptavidinにて精製される。この精製したRNAsは別のvectorにligateされ、次世代シークエンサーで塩基配列を決定される。N端あるいはC端にBRSをつけたCIRPあるいはRBM3をstablyに発現させたクローンを使った2つの独立したCLIP-seq実験から高度に類似したシークエンスのデータセットを得た。転写物中にCIRPあるいはRBM3と相互作用する部位を同定するために、CLIP-signalに対して転写の位置特異的な最低限の閾値をもうけて、局所的にenrichされたCLIP-sequences(clusters)を探すアルゴリズムを拡張した。CIRPに結合するRNAsの中にがん抑制遺伝子であるBRCA1がふくまれていた。BRCA1は細胞のDNA damage後のhomologous recombination、転写調節(mRNA processing and splicing、転写制御)、細胞周期アレストに関与する。細胞のDNA damage (cis-platin、IR)後のcell survival assayではDNA damage 時に細胞を32℃に置くことにより、37℃の場合に比較して、BRCA1によるhomologous recombinationによるDNA repairが促進する。このメカニズムにCIRPのBRCA RNAに対するHR関連遺伝子のmRNA processingとsplicingの安定化とタンパク質の安定化が関与している可能性がある。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)
Cancer Res.
巻: 74 ページ: 6119-28
10.1158/0008-5472