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2013 年度 実績報告書

肝線維化を抑制する活性化星細胞特異的インテグリンの抗体:作用機序解明と治療の展開

研究課題

研究課題/領域番号 24659367
研究機関広島大学

研究代表者

横崎 恭之  広島大学, 保健管理センター, 准教授 (80210607)

研究分担者 菅野 啓司  広島大学, 大学病院, 講師 (30448237)
キーワードインテグリン / 肝線維化 / 肺線維化 / 阻害抗体 / 抗体医薬 / 筋線維芽細胞 / TGF-β / 星細胞
研究概要

本研究では、インテグリンα8β1が線維化を誘導する機序に関して検討した。その結果、α8β1を介してシグナルが星細胞に入ることにより筋線維芽細胞への分化が促されること、およびα8β1が他のインテグリンで線維化誘導機序とされているTGF-β活性化能を有していることを見いだした。
まず、肝星細胞株LX2細胞をPoly-L-Lysine, ネフロネクチン、テネイシン、ラミニン上でそれぞれ培養した場合、いずれのケースもACTA2遺伝子 (α-SMA) の発現量に差を認めず、分化誘導は認められなかった。ところが遺伝子導入によりα8β1を発現させたLX2/α8はネフロネクチン、テネイシン上で培養するとラミニン上では変化ないのと対称的に、ACTA2遺伝子発現の上昇を認めた。この上昇はsi-RNAを用いてα8発現を低下させると失われることから、α8β1を介した現象であることが確かめられた。
TGF-βの活性化能に関しては、ヒト大腸がん細胞株SW480/α8にはTGF-β活性化能は認めなかった。星細胞株LX/α8または線維芽細胞株MRC5 (α8発現あり) にも活性化能は認めなかった。しかし、ラットの肝臓から分離した活性化星細胞にはTGF-βの活性化能を認めた。これらのことから、α8β1は潜在型TGF-βに結合し活性化させ得るが、発現する細胞の種類に影響されることが示唆された。細胞の収縮能が重要であるのかも知れない。また、星細胞は活性化に伴い自らの周辺のTGF-β を活性化させ、その活性化TGF-βにより自身の筋線維芽細胞への分化が進めるものと考えられた。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 学会発表 (6件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Inhibition Of Pulmonary Fibrosis By Integrin α8β1 Blocking Antibody and TGFβ-Independent Myofibroblast Differentiation By α8β1 Mediated Signal2014

    • 著者名/発表者名
      Y. Yokosaki, N. Nishimichi, K. Kanno, K. Sentani
    • 学会等名
      American Thoracic Society 2014 International Meeting
    • 発表場所
      San Diego, CA, USA
    • 年月日
      20140516-20140521
  • [学会発表] α8β1 Integrin And Mechanical Traction Are Necessary For Activation Of TGFβ In Fibroblasts2014

    • 著者名/発表者名
      N.M. Mark, C. Hung, Y-H. Chow, K. Kennewick, S. Lewis, N. Nishimichi, Y. Yokosaki, B. Hinz, L.M. Schnapp
    • 学会等名
      American Thoracic Society 2014 International Meeting
    • 発表場所
      San Diego, CA, USA
    • 年月日
      20140516-20140521
  • [学会発表] 新しい肺線維化抑制薬シーズインテグリンα8β1阻害抗体2014

    • 著者名/発表者名
      横崎恭之、西道教尚、仙谷和弘、菅野啓司、安井弥
    • 学会等名
      第54日本呼吸器学会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      20140425-20140427
  • [学会発表] Myofibroblast Differentiation Mediated By Integrin α8β1.2014

    • 著者名/発表者名
      Norihisa Nishimichi, Keishi Kanno, Akiko Sugiyama, Yasuyuki Yokosaki
    • 学会等名
      Keystone Symposia
    • 発表場所
      Keystone, CO, USA
    • 年月日
      20140323-20140328
  • [学会発表] A possible therapeutic agent for pulmonary fibrosis: antibody against integrin α8β1.2013

    • 著者名/発表者名
      Yokosaki Y, Nishimichi N, Kanno K, Senatani K, Yasui W.
    • 学会等名
      European Respiratory Society
    • 発表場所
      Barcelona, Spain
    • 年月日
      20130907-20130911
  • [学会発表] Role of α8β1 integrin in TGF-β activation by lung fibroblasts2013

    • 著者名/発表者名
      Nick Mark, Chi Hung C, Yu-Hua Chow, Norihisa Nishimichi, Lynn Schnapp, Yasuyuki Yokosaki.
    • 学会等名
      American Thoracic Society 2013 International Meeting
    • 発表場所
      Philadelphia, PA, USA
    • 年月日
      20130517-20130522
  • [備考] インテグリン治療開発フロンティア研究室

    • URL

      http://home.hiroshima-u.ac.jp/integrin/Home.html

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公開日: 2015-05-28  

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