研究概要 |
新規ウイルスのRNAを同定するために、Subtraction massive parallel sequencingによる新規病原体の探索を試みた。すなわち、Illumina Genome Analyzer IIxを使用して患者血清接種前、および接種後に血清中に存在するRNAを網羅的に解析した。接種前と接種後の血清中RNAを比較することにより、接種後にのみ検出されるRNAを未知の病原体ウイルスの可能性があるものとして次のステップの候補とすることとした。血清中のRNAが微量過ぎて解析できない場合には10週目にsacrificeしたマウスの肝臓の組織を用いて同様にSubtraction massive parallel sequencingによる未知の病原体の探索を行う候補RNA分子を探索した。今年度は機器の都合上、Illumina Myseqを使用して検討を行った。原因不明の発疹、肝障害を発症した症例の血清を用いてDNA, RNAのそれぞれからnon-humanの核酸の同定を試みた。この症例からはcytomegalovirusのDNAが検出された。現在残りの配列のassemblyを行っている。このことにより、方法論の妥当性が証明されたと考え、今後多数保存されている非A、非B、非C型劇症肝炎症例の血清、非A、非B、非C型急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変の症例の血清から核酸を抽出し、上記検出法による検出を行い、検出系の特異性などについて検討を加える予定である。
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