研究課題/領域番号 |
24659372
|
研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
加藤 淳二 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20244345)
|
研究分担者 |
瀧本 理修 札幌医科大学, 医学部, 講師 (10336399)
林 毅 札幌医科大学, 医学部, 講師 (60381258)
石渡 裕俊 札幌医科大学, 医学部, 助教 (90468083)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
キーワード | リポソーム |
研究概要 |
難治性癌である膵癌は,有用なmodalityが存在せず早期診断が困難である.現在,体外式超音波検査法,CTや超音波内視鏡が膵の腫瘤性病変の鑑別診断に用いられているが,腫瘤形成性膵炎などの良性疾患との鑑別に苦慮する事も稀ではない.これまで申請者らは,膵癌細胞の高いフコース要求性に着目し,そのreceptor-mediated endocytosisを利用した特異的に経静脈投与で膵癌細胞に取り込まれるフコース結合ナノキャリアを開発し,癌細胞そのものを標的とした新規抗がん療法を開発した(PLosONE, 2012).本研究課題では,フコース結合ナノキャリアの高い膵癌指向性を利用し,ペルフルブタンを内包化することで膵癌細胞にuptakeさせることで可視化し,超音波診断を可能にする新しい超音波造影剤を開発することを目的とした.平成24年度はペルフルブタンあるいはマイクロバブル内包化フコース結合リポソームを作成し,それぞれの配合比,安定性,特異性などの検討を行った.その結果,ペルフルブタン内包化フコース結合リポソームの作製に成功し,in vitroでのガス導入の基礎検討を行った.膵癌細胞への特異的な導入を認め,現在更に至適条件の設定を行なっている.また,in vivoの検討に備え,胆癌マウス,ラットの作製を行い,ペルフルブタン内包化リポソームの特異性などの基礎検討を開始している.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ペルフルブタン内包化リポソームの作製は成功しているが,in vitroにおける導入効率を更に改善しin vivoへの展開に向けた基礎検討を更に行なう必要がある.
|
今後の研究の推進方策 |
平成25年度は,前年度の研究成果を踏まえ,in vivoにおける薬物送達の特異性,描出効果などを検討する.主にin vivoで膵癌細胞株の担癌ヌードラットに対するL-Fucose-liposome-ペルフルブタンあるいはフコース結合-liposome-マイクロバブルのdelivery効率,病変同定能の基礎検討を行い,膵癌診断の新たなmodalityとしての有用性を検討し,新規超音波造影剤の開発を目指す.
|
次年度の研究費の使用計画 |
主に前年度の結果を踏まえて,担がんヌードマウス,ヌードラットを用いたin vivoでの検証を行なうため,研究費の多くは動物実験モデル作製に必要な経費となる.in vitroの研究試薬などについては前年度の研究費により準備されている.
|