研究課題
平成25年度は、RGD配列を含むペプチドにより修飾された自己組織化ナノペプチドを細胞足場として、心筋前駆細胞を約4週間培養して安定した細胞グラフトを作成し、心筋梗塞を作成したα-MHCCreLacZマウスの心膜腔に移植した。α-MHCCreLacZマウスは、心筋梗塞作成前にタモキシフェンを投与することにより、ほぼ100%の心筋細胞にβ-galactosidaseが発現するため、心筋梗塞後に存在するX-gal染色陰性の心筋細胞を非心筋細胞から新しく分化した細胞として、既存の心筋細胞と区別して同定できる遺伝子改変マウスである。心筋前駆細胞グラフトを移植した後、4週間後に心筋組織切片を作成してX-gal染色を行い、心筋前駆細胞グラフトを移植していない対照群とX-gal染色陰性の新生心筋細胞の数と分布について比較検討した。その結果、心筋前駆細胞グラフト移植群において、X -gal染色陰性の新生心筋細胞が高頻度に分布する心筋新生効果が高い部位を確認した。次に、心筋前駆細胞グラフト移植群と非移植群の心筋組織切片からレーザーマイクロダイセクションにより心筋組織を採取した。採取した心筋組織をサンプル調整し、LC-MS/MS(ショットガン分析)を行い、測定データを解析して心筋前駆細胞グラフト移植群と非移植群で同定した蛋白を比較検討した。心筋前駆細胞グラフト移植群でのみ同定された蛋白には、代謝関連酵素、膜表面蛋白、細胞骨格関連蛋白が含まれていた。
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