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2013 年度 実績報告書

小分子応答性人工受容体による増殖因子シグナル伝達制御を用いた心筋再生療法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 24659388
研究機関立命館大学

研究代表者

川村 晃久  立命館大学, 生命科学部, 准教授 (90393199)

キーワード再生医学 / 幹細胞生物学 / 体細胞初期化
研究概要

重症心不全に対する、人工多能性幹(iPS)細胞を用いた再生療法が期待されている。Wnt分子や顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)などの増殖因子は心筋細胞分化促進効果や心筋保護作用などを有しており、これらの因子によるシグナル伝達を制御することは、iPS細胞からの効率的な心筋細胞誘導だけでなく、移植後の生着効率の改善にも繋がると考えられる。しかし、増殖因子の生体投与は移植細胞以外にも作用するため、その副作用が懸念される。また、Wnt分子は、生体で安定して作用する組換え蛋白質が精製困難な状況である。そこで、本研究では、生体において安定でかつ毒性のない小分子リガンドに応答する人工受容体を用いて増殖因子のシグナル伝達を制御する方法を開発し、これを細胞治療へ応用した次世代心筋再生療法の基盤を構築する。
はじめに、G-CSF結合領域あるいは細胞外ドメインすべてを、抗フルオレセイン(FL)抗体のsingle chain Fv (ScFv)に置換したキメラG-CSF受容体を作製した。この受容体は、BSAに複数のFL分子を修飾したBSA-FLがリガンドとして結合すると、ホモ二量体を形成しシグナル経路を活性化すると考えられる。そこで、キメラG-CSF受容体を安定発現するマウスES細胞株を樹立し、分化培養過程で、代替リガンドであるBSA-FLにより刺激し、それぞれのシグナル経路の活性化を検証したところ、G-CSF受容体経路の下流の転写因子STAT3においてリン酸化が誘導されることを確認した。現在、iPS細胞株においても、同様の安定発現株を作成し、分化誘導後、代替リガンド刺激において心筋細胞分化効率、細胞死抑制効果などを確認中である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 その他

すべて 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [学会発表] Functional regulation of Wnt3a signaling for an efficient and economical production of cardiac myocytes from mouse ES cells using chimeric receptors for Wnt3a.

    • 著者名/発表者名
      Sogo T, Shigeno A, Baba A, Hasegawa K, Kawahara M, Nagamune T, Kawamura T.
    • 学会等名
      第18回国際心血管薬物療法学会年次学術集会
    • 発表場所
      ローマ、イタリア
  • [学会発表] 体細胞初期化と幹細胞分子の分子機構の解明とその再生医学への応用

    • 著者名/発表者名
      川村晃久
    • 学会等名
      第1回 立命館大学 生薬医研究室合同ワークショップ
    • 発表場所
      立命館大学BKC、滋賀県
    • 招待講演
  • [学会発表] Functional regulation of canonical Wnt signaling for self-renewal and differentiation of pluripotent stem cells using chimeric receptors for Wnt3a.

    • 著者名/発表者名
      Sogo T, Shigeno A, Baba A, Hasegawa K, Kawahara M, Ueda H, Nagamune T, Kawamura T.
    • 学会等名
      第36回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸国際会議場、兵庫県
  • [備考] 研究室ホームページ ~川村研究室へようこそ~

    • URL

      http://kawamura-lab.jp/index.html

  • [産業財産権] 人工多能性幹細胞、心筋細胞又はその前駆細胞の製造方法2013

    • 発明者名
      川村晃久
    • 権利者名
      国立大学法人京都大学
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      PCT/JP2013/085260
    • 出願年月日
      2013-12-28

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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