研究概要 |
1)分化速度制御機構におけるPKA及びG9aの意義の検討、2)PKAによるG9a制御機構の解明、3) G9aによるヒストン修飾の標的遺伝子の同定、4)PKAを活性化する内因性シグナルの探索、の4項目に関して検討を行い、1)PKAがG9aの発現増加を介してES細胞初期分化速度を約2倍亢進させることを明らかにした。2)G9aは未分化遺伝子であるOct4及びNanogの転写調節領域に対して、負のヒストン修飾であるH3K9me2を入れることによりこれら未分化遺伝子の発現を抑制し、細胞分化を誘導していることを明らかにした。3)ユビキチンリガーゼAPCC/cdh1がG9aを分化すること及びAPCC/cdh1の活性がPKAにより抑制されることにより、PKAがG9aのタンパク発現量を制御していることを示した。4)アドレノメデュリン及びその受容体がES細胞及び早期胚に発現し、PKAを活性化する内因性リガンドの一つとして作用していることを示した。以上いずれの項目においても成果を上げ、それらを論文として発表した(Yamamizu et al., Cell Stem Cell, 2012)。
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