研究課題
家族性拡張型心筋症(DCM)の病因変異である心筋トロポニンT遺伝子のΔK210変異をノックインしたDCMモデルマウスは、ホモ接合体ではヒトDCMと同様に、進行性の左室内腔の拡大と心機能の低下を呈し、心不全を呈して死亡することを確認している。ところが、DCM患者と同じヘテロ接合体は、野生型マウスと比較して心機能低下や心内腔の拡張が見られず、さらに吸入麻酔下に開胸し心室ペーシングを行うことで心室性頻拍や心室細動を誘導しても、その頻度は野生型と有意差が見られなかった。環境要因によるDCMの病態修飾について検討するために、ヘテロ接合体および野生型マウスに、① アンジオテンシンII(Ang II)(1.2 mg/kg/day)負荷、② Ang II(1.2 mg/kg/day) + 8% 食塩負荷、③ 高脂肪食/高ショ糖食負荷、を行い、心室性不整脈の誘導がどのような修飾を受けるかを検討した。4週間および6週間のAng II負荷、あるいはAng II + 8% 食塩負荷、12週間および16週間の高脂肪食/高ショ糖食負荷によって、ヘテロ接合体および野生型マウスにおいて心室性頻拍や心室細動の催不整脈性は増加したが、ヘテロ接合体と野生型とで有意な差は認められなかった。したがって、このDCMモデルマウスにおいては、高塩分食や高脂肪/高ショ糖食のような食事環境によっては、心室性不整脈の病態は修飾されないことが示唆された。
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http://www.cvrm.med.osaka-u.ac.jp/research/az