研究課題/領域番号 |
24659400
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
檜澤 伸之 筑波大学, 医学医療系, 教授 (00301896)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 喫煙 / 遺伝因子 / 禁煙外来 / 網羅的ゲノム解析 / ニコチン依存 / COPD |
研究概要 |
欧米におけるゲノムワイド関連解析研究(genome-wide association study; GWAS)では、ニコチン受容体やドパミン水酸化酵素などニコチン作用に影響を与える遺伝子多型と喫煙行動との関連が報告されている。本研究は日本人においてニコチン依存に強く関連している遺伝子多型を同定するものである。現在、禁煙外来を受診し同意の得られた対象者の臨床情報及び遺伝子DNAの収集が進行中である。一方、1369名の健診受診者を対象に喫煙歴の有無(非喫煙者865名)及び喫煙指数(333名がSmoking Index>200)を対象にゲノム網羅的な遺伝子解析を既に実施し、複数の遺伝子領域でこれらの喫煙指標との強い関連を認めている。今後、日本人におけるGWASの結果を独立した日本人集団で追認するために、COPD患者を含む喫煙者の臨床情報と遺伝子DNAについても収集が進行中である。さらに我々のゲノム網羅的な遺伝子解析の結果に基づいて、これまで欧米を中心に報告されてきた喫煙行動に影響を与える複数の遺伝因子の日本人における影響を検討する。これらの遺伝子群に有意な影響が同定できた場合には、人種を越えて喫煙行動に関係している遺伝因子の存在を確認したことになる。これらの一連の研究によって喫煙行動に影響を及ぼす遺伝素因を解明することができれば、喫煙を始めてしまったときに禁煙することが困難となる者をあらかじめ特定できる。そのような者に対して早期から強力な禁煙・非喫煙の介入指導を行うことにより、非喫煙状態を継続させることが期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究計画書を提出後に禁煙補助薬であるバレニクリン『チャンピックス』に、意識喪失、難聴、自殺、攻撃性といった重篤な副作用が起きるケースが報告され、禁煙外来での同薬剤の処方数が減っているため、禁煙外来における検体収集が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
1369名の検診受診者を対象に行ったGWASの結果を独立した日本人集団で追認すると同時に、これまで欧米を中心に報告されてきた遺伝因子の日本人における影響を確認する。またこれらの遺伝因子の影響を禁煙治療の効果と関連するかどうかを検討する。バレニクリンの重篤な副作用による処方数の減少に対しては、現在、研究対象をチャンピックスのみならずニコチンパッチを使用する患者にも拡大すると同時に、研究実施施設を増やすことを検討している。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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