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2013 年度 実績報告書

分泌発現系cDNAライブラリを用いた細胞性免疫責任抗原同定への新しいアプローチ法

研究課題

研究課題/領域番号 24659402
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

江石 義信  東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (70151959)

キーワードサルコイドーシス / 液性免疫反応 / 細胞性免疫反応
研究概要

サルコイドーシス患者および健常人血漿を用いて本症原因細菌であるアクネ菌の菌体成分に対しwestern blotを施行し、疾患特異的な反応を見せる菌体成分の同定を目指した。Western blotにおける陽性バンドはIgG, A, M各クラスとも30-50 kDa付近に見られたが、患者群に特異的なバンドはなかった。
患者・健常人で高頻度に認められたバンドについてはアクネ菌菌体成分の可溶性分画からwestern blotの陽性バンドの分子量に相当するバンドをCBB染色したアクリルアミドゲルから切り出し、MALDI TOF-MS解析によりタンパクを同定した。同定し得た5種類のタンパクについては組み換えタンパクを作製し、アクネ菌感作マウスおよびサ症患者・健常人における液性免疫反応と、感作マウスおよびサ症患者細胞を用いて細胞性免疫反応を検証した。
液性免疫反応はELISA法にて抗体価を測定した。アクネ菌感作マウスは生食免疫した対照マウスと比較し、5種類のタンパクすべてに対し有意に高い抗体価を示した。ヒト血漿では2種類のタンパクに対してサ症患者群で有意に高い抗体価を示した。
細胞性免疫反応はELISPOT assayにて評価した。アクネ菌感作マウスは対照マウスに比べIFNγ、IL-2ともに高い反応を示す中、3種類については強い反応を示した。患者では4例中3例にマウスで強い反応を示した3種類のうち2種類に対する反応を認めた。
本研究では“患者特異的に液性免疫を誘導する”ではなく、ヒトに抗原性を有するアクネ菌由来のタンパクを液性免疫反応から選別し細胞性免疫反応を評価した。宿主要因が存在する疾病の病因解明研究においては患者細胞に限りがある以上本研究のような工程を踏む必要がある。当初目指した細胞性免疫反応を指標としたスクリーニング法の確立には至らなかったが、本症の責任抗原同定へは前進したものと考える。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (3件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] Etiologic Aspect of Sarcoidosis as an Allergic Endogenous.2013

    • 著者名/発表者名
      Eishi Y.
    • 雑誌名

      Biomed Res Int.

      巻: 2013 ページ: 1-8

    • DOI

      10.1155/2013/935289

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Etiologic link between sarcoidosis and Propionibacterium acnes.2013

    • 著者名/発表者名
      Eishi Y.
    • 雑誌名

      Respir Investig.

      巻: 51(2) ページ: 56-68

    • DOI

      10.1016/j.resinv.2013.01.001

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Complete Genome Sequence of a Propionibacterium acnes Isolate from a Sarcoidosis Patient.2013

    • 著者名/発表者名
      Minegishi K, Aikawa C, Furukawa A, Watanabe T, Nakano T, Ogura Y, Ohtsubo Y, Kurokawa K, Hayashi T, Maruyama F, Nakagawa I, Eishi Y.
    • 雑誌名

      Genome Announc.

      巻: 1(1) ページ: e00016-12

    • DOI

      10.1128/genomeA.00016-12

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Cutaneous sarcoidosis with livedoid lesions: evidence of the involvement of Propionibacterium acnes.2013

    • 著者名/発表者名
      Asahina A, Miura K, Saito I, Oshikata C, Ishii N, Eishi Y.
    • 雑誌名

      J Dermatol.

      巻: 40(6) ページ: 501-502

    • DOI

      10.1111/1346-8138.12120

    • 査読あり
  • [学会発表] MALDI TOF/MS法を用いたアクネ菌由来サルコイドーシス責任抗原の同定2013

    • 著者名/発表者名
      萬 巴里子
    • 学会等名
      第33回日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会総会
    • 発表場所
      東京・東京医科歯科大学
    • 年月日
      20131025-20131026
  • [学会発表] 全身臓器における適応とその破綻 サルコイドーシスのアクネ菌病因説2013

    • 著者名/発表者名
      江石 義信
    • 学会等名
      第17回 日本適応医学会学術集会
    • 発表場所
      大宮・大宮ソニックシティ
    • 年月日
      20130628-20130629
  • [学会発表] サルコイドーシス最新の病因論2013

    • 著者名/発表者名
      江石 義信
    • 学会等名
      第53回 日本呼吸器学会学術講演会
    • 発表場所
      東京・東京国際フォーラム
    • 年月日
      20130419-20130421
  • [図書] Sarcoidosis.2013

    • 著者名/発表者名
      Eishi Y.
    • 総ページ数
      290
    • 出版者
      Intech
  • [図書] 呼吸器内科 アレルギー性内因性感染症としてのサルコイドーシスの病因論2013

    • 著者名/発表者名
      江石 義信
    • 総ページ数
      10
    • 出版者
      科学評論社
  • [図書] お茶の水医学雑誌 アレルギー性内因性感染症としてのサルコイドーシス2013

    • 著者名/発表者名
      江石 義信
    • 総ページ数
      18
    • 出版者
      お茶の水医学会

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公開日: 2015-05-28  

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