研究課題/領域番号 |
24659403
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
北 賢二 金沢大学, がん進展制御研究所, 助手 (80625252)
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キーワード | 脳転移 |
研究概要 |
マウスの内頚動脈よりヒト肺がん細胞株を接種し脳に転移させることは難しく、昨年度同様に各種ヒトがん細胞株を用い、SCIDマウスの頭蓋内に生着させることを試みた。 ヒトがん細胞株はPC-9、PC14PE6、KM12SM、LC319/bone2、NUGC4を用いた。 PC-9については生着を確認できなかった。一方PC14PE6、KM12SM、LC319/bone2に於いては、解剖後、脳に生着していることを目視で確認した。各細胞を移植した脳を摘出し、Brain Slicerでスライスし、ホルマリンパラフィン包埋組織及び、凍結組織として保存し、現在病理学的検討を行っている。 さらに、PC14PE6、KM12SM、LC319/bone2、NUGC4に緑色蛍光タンパク質(EGFP)及び発光酵素(Luciferase)遺伝子を導入し、in vivoイメージングにより確認できるようにした。 in vitroにおける細胞増殖アッセイにて、KM12SMが、特定の分子標的薬に感受性を持つことを確認した。今後、頭蓋内に移植した後、これら分子標的薬による治療実験を行い、in vivoイメージングで抗腫瘍効果を評価する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マウスの脳にヒト肺がん細胞を移植した際、細胞が増殖する前に死亡する。また、マウスをSacrificeしないと移植できているかどうか確認できないので、やや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、脳に生着した細胞を前駆細胞(metastasis initiating cells)MICと考え、MICとがん幹細胞とを比較しながらそれぞれの表面抗原、分化抗原、増殖能、運動能、遊走能、内皮への接着能、浸潤能、血管新生因子産生能、薬剤感受性等を検討する。これで差が見つからない場合はマイクロアレイやプロテオミクスによる網羅的解析を行う。これらの解析によりMICががん幹細胞と異なる細胞集団であるか否かを検証する。さらに、MIC特異的に発現している治療標的分子を同定する。
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