研究課題
本研究ではエピゲノム制御の異常同定と、それに基づく遺伝子発現の異常を同定し、生活習慣病および生活習慣病に起因する臓器障害の早期診断から治療までの包括的治療のための新たな技術基盤の確立を目指している。糖尿病には高血圧を合併することが多いがその分子基盤は不明な部分が多い。本研究で、腎臓内で血圧制御にかかわる分子のエピジェネティック状態の正常での状態をまず解明し、糖尿病と血圧異常を呈するモデルで不具合が生じていないかどうか検討を進めた。正常マウスの腎臓内での食塩感受性高血圧に関わる遺伝子のDNAメチル化の分布解明を進めた。近位尿細管とそれ以外の分画にわけて解析したところ、腎臓内の部位特異的発現に並行して多くの分子がDNAメチル化状態が異なっていることがわかった。近位尿細管特異的に発現しているトランスポーターや転写因子は脱メチル化しており、一方そのほかの部位で発現し近位ではメチル化しているものがみられた。血圧調節にかかわる分子でメチル化の組織内分布が異なるものが複数得られた。正常マウスでの所見をもとに、モデル動物での検討を進めた。糖尿病マウスdb/dbの血圧をテレメトリー法で計測したところ、8%食塩食下では高血圧を呈するため、食塩感受性高血圧の原因となる遺伝子に注目して検討を進めた。糖尿病マウスdb/dbと正常マウスの比較し、複数の血圧変化に関わると思われる分子にDNAメチル化異常が認められた。mRNAレベルでもそれに並行して発現が変化しており、エピジェネティック異常が発現異常の元にあることが示唆された。
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