正常型プリオン蛋白質 (PrPC)の高次構造変換因子として、リコンビナントPrPCのプロテアーゼ感受性を指標に、マウス神経芽腫細胞から熱シック蛋白質Hsp90を精製した。試験管内反応系を用いて、1)Hsp90はPrPCの分子中央部を部分変性すること、2)活性はHsp90のC末側ドメインにあること、2)シャペロン活性にヌクレオチドを必要としないが、3)銅イオンと結合したPrPCの部分変性にはADPなどのヌクレオチドが必要であることを見出した。また、4)試験管内反応系を用いて新規に見出したシスプラチン誘導体や既存の阻害剤の一部が、プリオン感染細胞においてプリオンの複製を阻害することを確認した。
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