本研究の目的は、脳内マイクロダイアリシスを用いて、神経細胞から分泌されたAβやタウに病理を伝播させる能力があるかどうかを明らかにすることである。申請者らのタウトランスジェニック(Tg)マウスで予備実験を行ったところ、あまり良い結果は得られなかった。そこで、よりドナーに適したモデルマウスを得るために、申請者らのOsaka変異APP Tgマウスと野生型タウTgマウスを交配したところ、6カ月齢でAβオリゴマーの蓄積、タウの異常リン酸化、シナプス消失、記憶障害を示し、18カ月齢で神経原線維変化とニューロン消失を示した。今後は、このより完全なモデルマウスを用いて病理の伝播実験を行っていく予定である。
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