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2012 年度 実施状況報告書

横紋筋融解症の原因としてのスタチンと筋肉内コレステロール欠乏の違い

研究課題

研究課題/領域番号 24659440
研究機関筑波大学

研究代表者

中川 嘉  筑波大学, 医学医療系, 講師 (80361351)

研究分担者 松坂 賢  筑波大学, 医学医療系, 准教授 (70400679)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワードコレステロール代謝 / 横紋筋融解症
研究概要

本研究では高脂血症の治療薬評価系の構築とともに、生活習慣病の治療に新たな道筋を構築する。現在までスタチンの副作用による骨格筋傷害の分子メカニズムは明らかになっていない。このメカニズムを明らかにすることで、本研究から副作用のない高脂血症の新たな治療薬開発の足がかりを作ることが可能になると考えている。
コレステロール代謝は生体の恒常性に重要な役割を演じているが、骨格筋におけるコレステロール代謝はほとんど明らかになっていない。本申請では、骨格筋特異的にHMG CoA還元酵素を欠損したマウスを作成し筋肉細胞内にコレステロール供給がないマウスを作成する。高コレステロール血症治療薬であるHMG CoA還元酵素阻害剤スタチンにより生じる副作用、横紋筋融解症の発症と骨格筋HMG CoA還元酵素ノックアウトマウスでの違いを病理所見、遺伝子発現、タンパク質修飾、血中成分の違いを精査する。情報解析の技術を駆使し、それぞれの変化情報を結び付けることで新たな分子メカニズムを見つけ出す。スタチンによる副作用の原因となりえる分子メカニズムを同定し、新たな横紋筋融解症の治療法、治療薬に結び付けることが可能となる。
骨格筋特異的HMG CoA還元酵素ノックアウトマウスの作製を作製した。このマウスは血清CPKが著しい増加、組織学的な解析から筋肉細胞の細胞死と細胞の再生が著しく増加増加していた。これらの表現型は明らかな横紋筋融解症の病態を示していた。遺伝子発現の網羅的な解析から炎症反応にかかわる因子の増加が顕著にみられ、遺伝子発現の面からも炎症反応の惹起による細胞死が増加していることが推察された。以上の結果から、新たなに作成された骨格筋特異的HMG CoA還元酵素ノックアウトマウスは横紋筋融解症のモデルとなりえると考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

新たなに作成した骨格筋特異的HMG CoA還元酵素ノックアウトマウスはスタチンによる横紋筋融解症モデルマウスであり、新たなスタチンによる副作用の評価系としてのこのマウスの存在は大きい。さらに、このマウスで見られる細胞死は典型的な細胞死とは違うメカニズムによるもと推察される現象が見られることを見出している。ネクローシス、アポトーシスで定義された遺伝子発現、タンパク変化いった細胞死で見られる現象が起こっておらず、今後の研究の進展から新たな細胞死の定義を確立することができると考えている

今後の研究の推進方策

今後はスタチンによる横紋筋融解症の発症にかかわる責任分子を特定する。細胞レベルでの解析を用い、コレステロール合成経路の各ステップに対する阻害剤、活性化剤を用いたスクリーニングから特定していく。
コレステロール合成の阻害により生じる細胞死のメカニズムを確立し、スタチンによる細胞死の詳細を同定する。
最終的に、スタチンによる横紋筋融解症の評価系を確立するとともに横紋筋融解症の治療薬の開発を目指す。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] 筑波大学 医学医療系 内分泌代謝・糖尿病内科

    • URL

      http://www.u-tsukuba-endocrinology.jp/

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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