FXYD5(ディスアドヘリン)は上皮細胞接着分子Eカドヘリン発現調節を介して細胞‐細胞接着に関与する。細胞接着能が著しく低下し予後が極めて不良な甲状腺未分化癌において、FXYD5の発現の検討と、強制発現およびRNA干渉(RNAi)による細胞接着能の変化およびプロテオーム解析により不明な点が多かったFXYD5関連蛋白質について検討した。RNAi効果が恒常的に持続する細胞株を10クローン作成した。これらクローンにおいて形態は上皮様に変化し、細胞遊走能は低下した。プロテオーム解析では、S-100蛋白質とRAS蛋白質の増加を認め、FXYD5は、これら蛋白質発現を制御している可能性が示唆された。
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