研究課題/領域番号 |
24659459
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
山岡 昇司 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (90263160)
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研究分担者 |
斉藤 愛記 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (00516312)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 翻訳後修飾 / ユビキチン / 癌 / ATL |
研究概要 |
成人T細胞白血病(ATL)はHTLV-I感染が原因で発症する悪性度の強い 血液腫瘍であり、治療標的分子の同定が喫緊の課題である。ユビキチン修飾酵素A20は炎症と癌を制御する鍵となる分子で、転写因子NF-kappaB活性化やインターフェロン産生に影響を及ぼしている。これまでB細胞系腫瘍における変異や欠失が報告されてきたが、本研究でA20がATL細胞に強く発現しており、その生存と増殖に必要であることが明らかになりつつある。A20は細胞死を誘導するカスパーゼ8と結合すること、A20の発現を抑制するとカスパーゼ8、3、7を活性化することがわかった。現在、A20を欠損するマウス由来細胞にA20変異体を発現させTNFとcycloheximideで細胞死を誘導して、多岐にわたるA20の機能のうちどれが細胞生存に寄与しているかを調べている。 本研究により、A20の癌細胞における細胞死抑制機能の分子メカニズムが明らかになると期待する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
A20の癌細胞における細胞死抑制作用は思ったより広範囲の細胞で生存を支えており、その分子メカニズムがA20の機能と標的分子の両面から解明されつつあるから。
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今後の研究の推進方策 |
カスパーゼ8との結合と細胞死抑制作用との関係をA20変異体を用いて解明し、機能と構造の両面からA20が癌細胞で果たす役割を理解する。その結果をもとに、癌細胞の細胞死を誘導するためにA20が分子標的としてふさわしいか、A20のどの機能、構造を標的とするべきかを検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
物品費の支出上2415円という少額の差額が発生したが、平成25年度に使用予定である。
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