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2013 年度 実績報告書

ユビキチン化修飾酵素A20の血液腫瘍細胞生存促進作用の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24659459
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

山岡 昇司  東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (90263160)

研究分担者 斉藤 愛記  東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (00516312)
キーワード血液腫瘍 / 細胞死 / カスパーゼ / A20
研究概要

成人T細胞白血病(ATL)はHTLV-I感染が原因で発症する悪性度の強い血液腫瘍であり、骨髄移植以外に治癒を望める有効な治療法が乏しく、治療標的分子の同定と有効な治療法の確立が喫緊の課題である。ユビキチン修飾酵素A20は炎症と癌を制御する鍵となる分子で、転写因子NF-kappaB活性やインターフェロン産生に影響を及ぼしている。これまでB細胞系腫瘍におけるA20の変異や欠失が報告されてきたが、本研究でA20がHTLV-I感染細胞をはじめとする多くの造血系悪性腫瘍細胞に強く発現しており、その生存と増殖に必要であるがNF-kappaB活性制御には本質的には関わっていないことが明らかになった。HTLV-I感染細胞中では、A20は強発現し細胞死を誘導するカスパーゼ8とタンパク質複合体を形成すること、またカスパーゼ8と細胞死誘導シグナルのプラットフォームとなるFADDとの結合も検出された。RNA干渉法によりA20の発現を抑制すると、カスパーゼ8、3、7の活性化を誘導し、細胞増殖を著しく阻害することがわかった。意外なことに、A20変異体を発現させ内因性A20発現をノックダウンする実験により、A20のユビキチン修飾酵素活性は細胞死の抑制に必須ではなく、カスパーゼ8、FADDとA20がタンパク質複合体を形成することが重要であることがわかった。ノックダウン実験により、他の腫瘍細胞株においてもA20の細胞死抑制作用は細胞の生存と増殖に重要であることが判明しつつある。本研究により、A20が強発現する腫瘍細胞における細胞死抑制の分子メカニズムが明らかになることで新たな分子標的候補が見出され、腫瘍細胞に細胞死を誘導するための治療法開発に貢献することが期待される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] TNFAIP3/A20はHTLV-I感染細胞においてcaspase-8活性化を制御する2013

    • 著者名/発表者名
      鶴山惠理、斉藤愛記、持田佳奈子、徳永文稔、山岡昇司
    • 学会等名
      第36回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20131203-20131206
  • [学会発表] Ubiquitin-editing enzyme A20 interacts with and suppresses caspase 8 in HTLV-I-infected cells2013

    • 著者名/発表者名
      斉藤愛記、宇野雅哉、山岡昇司
    • 学会等名
      第72回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20131003-20131005
  • [学会発表] ユビキチン化修飾酵素A20はHTLV-I感染細胞の細胞死を抑制する2013

    • 著者名/発表者名
      鶴山惠理、斉藤愛記、山岡昇司
    • 学会等名
      第5回HTLV-I研究会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20130823-20130825

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公開日: 2015-05-28  

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