研究課題
慢性リンパ球性白血病(CLL)は、高齢者に好発し、加齢とともに有病率が増加する。CLLは、代表的な成熟B細胞性腫瘍であり、腫瘍起源としては基本的に成熟B細胞であると考えられてきた。申請者らは先行研究において、CLL患者の造血幹細胞(HSCs)が免疫不全マウスへの異種移植実験において、CLLの前白血病状態と考えられる異常なoligoclonalな成熟B細胞集団を再構築することを見いだし、CLLの発症機構として、HSCsレベルで何らかの異常が獲得されており、その異常を背景に多段階的にCLLが発症するという新しいCLL発症モデルを提唱した。本研究では、先行研究で提唱されたモデルを遺伝子変異解析により検証するべく、症例特異的な体細胞変異を同定し、体細胞変異群が造血幹細胞レベルに存在しているか否かを検討した。CLL患者よりCLL細胞および、T細胞をFACSにより純化し、T細胞をレファレンスとして次世代シークエンサーによる全エキソンシーケンスを行い、症例特異的な体細胞変異を同定した。同定した体細胞変異のうち、mutant allele frequencyの高いものに関してPCR primerを設計した。FACSによりCD34+CD38- HSCs分画を純化しgDNAを抽出し、設計した変異特異的PCR primerを用いてPCR反応を行い、次世代シークエンサーによるamplicon sequenceを行い、HSCsにおける変異の頻度を測定した。さらに、CLL症例HSCのsingle cell sortingを行い、CFU-assayを行った。14日後にsingle HSC由来の骨髄系コロニーをピックアップし、上記変異特異的PCR primerを用いて変異を有するコロニーの頻度を直接的に計測し、HSCsレベルで実際に体細胞変異が獲得されていることを見いだした。
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