研究課題/領域番号 |
24659469
|
研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
武谷 浩之 崇城大学, 生物生命学部, 教授 (60222105)
|
研究分担者 |
宮原 浩二 崇城大学, 生物生命学部, 准教授 (40325155)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | スフィンゴ脂質 / スフィンゴミエリン / セラミド / スフィンゴミエリン合成酵素 / スフィンゴミエリナーゼ / スフィンゴシン1-リン酸 / S1Pリアーゼ / 線虫 |
研究実績の概要 |
スフィンゴ脂質は発生や炎症、免疫、細胞の運動や生死などを制御・調節している。スフィンゴミエリン(SM)の合成酵素(SMS)の遺伝子欠損マウスの解析から、雄性不妊や血小板減少などが示唆されたが、複雑なスフィンゴ脂質代謝系制御のため、SMS欠損マウスの分子レベルの解析は困難であった。そこで、遺伝学・逆遺伝学のモデル生物であり哺乳類と類似のスフィンゴ脂質代謝系を有する線虫(C. elegans)を用い、同代謝系酵素の生物学的役割を明らかにしようとした。昨年度までにSMS遺伝子の変異体(sms-1およびsms-3)に加え、セラミド合成酵素(hyl-1およびhyl-2)、酸性スフィンゴミエリナーゼ(asm-3)、スフィンゴシン1-リン酸(S1P)リアーゼ(tag-38)の欠失変異体、およびhyl-1;hyl-2二重欠失変異体の解析を行い、本年度はasm-3;sms-1、hyl-2;sms-1、tag-38;sms-1、asm-3;hyl-1、asm-3;hyl-2の各二重変異体の作製と解析を行った。その結果、sms-1変異体で観察された雄性不妊に基づく産卵数減少や、asm-3変異体の表現型である産卵数増加と寿命延長などを含めた産卵数や寿命の制御には、生体膜の構造維持や脂質マイクロドメインの形成、および、セラミドやセラミド1-リン酸、S1Pなどの細胞内外の生理活性脂質の細胞膜リザーバーとして機能するSMが、セラミドから合成され、細胞膜に維持されていることが重要と示唆された。今後、血小板の産生・代謝やその機能との関連性を検討していく予定である。
|