IL-33はIL-1やIL-18とともにIL-1ファミリーに属する炎症誘導性サイトカインである。IL-33の受容体は、ST2とIL-1RAcPのヘテロダイマーからなる。ある種の免疫応答において、IL-33遺伝子欠損マウスの表現型とST2遺伝子欠損マウスの表現型が異なることがわかっている。そのため、IL-33にはST2以外の受容体、もしくは、ST2にはIL-33以外のリガンドが存在する可能性が示唆されている。本研究では、IL-33にはST2以外の受容体が存在するという仮説を基に、新規IL-33受容体分子の同定を目的とした。 IL-33に結合しうる分子を探索させるプローブとして、His付きのリコンビナントIL-33を作成を試みた。全長IL-33タンパク質を発現するベクターを作成し、哺乳動物細胞株に形質導入して、トランスフェクタントを樹立し、そのトランスフェクタントより、His付きのリコンビナントIL-33を大量に回収することを計画した。 形質導入した哺乳動物細胞株の培養上清中のリコンビナントIL-33を精製するために、カラムに吸着させ、溶出を行ったところ、リコンビナントIL-33は凝集してしまい、可溶化させることができなかった。そこで、代替法として、大腸菌で発現させ、リコンビナントIL-33を大量調整する方法を進めている。
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