本臨床試験では、市販中の分岐鎖アミノ酸BCAA含有飲料「アミノバリュー コンク」を用いて、リウマチ性疾患・膠原病患者を対象に、ステロイド治療に伴う筋萎縮・筋力低下に及ぼす効果について、徒手筋力テストによる筋力評価、生体インピーダンス法を用いた体組成分析、そしてX線CTスキャン、MRIによる筋量評価を指標として、オープンラベル、ランダム化、並行群間比較、第II相臨床試験により検討した。一方で、ステロイド治療に伴う筋萎縮・筋力低下やステロイド筋症に関しては臨床における確立された評価法・診断法が存在しないため、本試験においては、その評価法・診断法の探索も行った。 現時点で目標20症例のところ15例のエントリーが終了した。今後も症例を追加する。中間解析からは、わたしどもが提案した治療介入は、中等量以上のステロイドが投与されている患者において、筋量に対して一定の増加効果をもたらす可能性が示唆されている。 なお、当院通院中の膠原病患者を対象に、体組成分析BIA、そしてX線CTスキャン、MRIによる筋量評価を行った結果、いずれの方法によっても定量的な評価が可能であることが分かった。ただし、再現性という観点からは、CT、MRIに比較してBIAはやや劣っていた。 以上の成果をもとに、より大規模な多施設共同研究を実施することとし、現在プロトコール整備などの準備を行っている。すなわち、本萌芽的研究は所期の目的を十分達成したと判断される。
|