研究課題
①SKG関節炎モデルマウスにおけるMDSCの動態を解析した。zymosanによる関節炎惹起によりMDSCが脾臓および骨髄で誘導された。G-MDSCおよびM-NDSC双方が誘導された。②MDSCの治療効果を検討した。MDSCを脾臓からMACSbeadsで単離し、尾静脈から経静脈的にSKGマウス投与すると関節炎は軽快した。従って、MDSCは関節炎を抑制することが明らかとなった。③JAK阻害剤とMDSCの関連を調べた。JAK阻害剤は従来の報告通り関節炎を抑制した。JJAK阻害剤で治療したマウスでは脾臓や骨髄のMDSCはさらに増えていた。さらに、JAK阻害剤による関節炎抑制効果は抗GR-1抗体でMDSCを除去することにより解除された。すなわちJAK阻害剤による関節炎抑制の一部はMDSCを介している。④骨髄細胞をGM-CSFで培養する際にJAK阻害剤を加えると、樹状細胞への分化が抑制され、MDSCが増えた。JAK阻害剤下で培養した骨髄細胞はMDSCであり、JAK阻害剤なしで培養した骨髄細胞よりもT細胞の刺激能が劣っていた。以上の結果より、MDSCは関節炎治療の標的細胞の一つであることが結論された。MDSCを誘導することは関節炎治療に有益であるが、JAK阻害剤はそのような作用を有していることが明らかとなった。MDSCは癌免疫を抑制することがよく知られているが、炎症病態でも重要な役割をすることを本研究は示しており、新たな免疫制御療法の開発につながる可能性を秘めている。
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Clin Exp Rheumatol
巻: 32 ページ: 148
Biochem Biophys Res Commun
巻: 438 ページ: 778-83
10.1016/j.bbrc.2013.05.120.