今年度はRNA修飾欠損モデルの解析に重点を置いて研究を進めた。RNA修飾を認識する抗RNA抗体については、得られたクローンの結合力に問題があること、新たなライブラリーの取得が困難になったことから、研究の継続を断念した。 1.RNA修飾欠損モデルの解析 前年度に引き続き、rRNAの修飾酵素であるディスケリンをノックダウンした先天性角化不全症モデル、U26 snoRNAの発現を阻害したRNA修飾欠損モデルのポリソームmNA解析を行い、得られたデータの情報解析を進めた。翻訳効率の変動が大きい遺伝子を解析したところ、特に、U26 snoRNAの発現阻害で脳および神経系、眼の形成に関わる遺伝子が多数同定された。 2. snoRNAデータの整備 RNA修飾に関わる核小体低分子RNA(snoRNA)のデータを収集し、データベースに整備した(http://snoopy.med.miyazaki-u.ac.jp)。また、EMBLの支援を受けて新たに設立されたノンコーディングRNAの統合サイトRNAcentral(http://rnacentral.org)と連携し、一部のデータの移管を行った。これにより、より広くRNA修飾に関わる情報の共有が実現した。
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