小児急性脳症の機序として、細菌毒素、使用される薬剤、高温環境などによる脂肪酸β酸化障害の関与の可能性を検討した。方法は、培養細胞とタンデムマスを用いるin vitro probe (IVP) assay によるβ酸化能評価法を応用した。 その結果、食中毒菌であるセレウス菌の毒素セレウリド、高温環境(41℃)あるいは解熱剤のアスピリンとジクロフェナクは脂肪酸酸化を障害する可能性が示された。解熱剤の中でもアセトアミノフェンは安全なことが推測された。小児の感染時に一部の細菌毒素、解熱剤、あるいは高熱環境は急性脳症発症のリスクがある。これらの研究成果はより安全な小児診療に役立つ。
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