蛋白尿発症機序を明らかにし、診断治療に役立てるという全体構想に対して、2009-2011年の基盤研究Cでは 糸球体上皮細胞(ポドサイト)に発現し、ポドシン蛋白に結合する輸送蛋白xを同定した。この輸送蛋白xのin vivoにおける機能を確かめるために、ポドサイト特異的コンディショナルノックアウトマウスを作成し、検討を開始した。 輸送蛋白xのF1ヘテロマウスからNeoカセットFLPカセットを除去し、輸送蛋白xのfloxヘテロマウスを作成し、これとポドシンのプロモーターを有しポドサイト特異的にCreを発現するB6.Cg-Tg(NPHS2-cre)295Lbh/Jを購入してかけ合わせ、ポドサイト特異的xのヘテロ欠損マウスを作成した。このマウスにつき6週齢時に代謝ゲージにて蓄尿を行い、尿中総蛋白 アルブミン クレアチニンを測定 尿潜血もチェックしたが有意な所見はえられなかった。このマウスを解剖し腎組織について検討を行ったが、有意な病理変化をおこしていなかった。次にこのヘテロ欠損マウスを交配してポドサイト特異的ホモ欠損マウスを作成した。ヘテロの場合と同様に、代謝ゲージにて蓄尿を行い、尿中総蛋白 アルブミン クレアチニンを測定 尿潜血もチェックしたが、現時点までの検討では、6-7週齢 14-15週齢いずれにおいても有意な所見はえられていない。
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