研究課題/領域番号 |
24659513
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
研究機関 | 独立行政法人国立成育医療研究センター |
研究代表者 |
大倉 隆司 独立行政法人国立成育医療研究センター, 生殖・細胞医療研究部, 研究員 (50183223)
|
研究分担者 |
梅澤 明弘 独立行政法人国立成育医療研究センター, 再生医療センター, センター長 (70213486)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 先天性代謝異常症 / 細胞治療 / 間葉系幹細胞 / ライゾゾーム病 / 疾患モデルマウス |
研究概要 |
本研究は先天性代謝異常症のひとつであるライソゾーム病に対する新規の細胞移植治療法の開発を目的として研究を実施した。ヒト間葉系(幹)細胞およびヒトiPS細胞をライソゾーム病のモデルマウスに対して移植し、治療効果および安全性を総合的に解析・評価したる。本研究は現在根本的な治療法がないライソゾーム病に対して有望な治療法の提示を目指した。まず間葉系(幹)細胞およびiPS細胞からの神経細胞への分化誘導を行った。また、ヒト細胞とSDマウス由来初代培養細胞との共培養による蓄積の減少について検討した。また、ライソゾーム病モデルマウスの改変(Scid化)に着手した。移植実験に際しては拒絶反応の制御が重要であるが、免疫抑制剤の使用によりデータのばらつきが生じる可能性がある。そのため、SDマウスをscidマウスと交配させることで、細胞移植時に免疫学的拒絶が起こらないSDマウス(SD-scid)を作製が重要なとなる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
細胞培養や動物実験は当初の計画どおりに推移している。疾患モデル動物に対するSCID化にも着手しており、今後は、細胞移植の有効性について、疾患モデルマウスによる治療効果の判定が可能となる。
|
今後の研究の推進方策 |
(1)SD-scidマウスへの移植実験 23年度のin vitroの検討により、治療効果が高いと判断した細胞を数種類選択し、SD-scidマウスの頭蓋内に移植し、その効果を解析する。解析する項目は、寿命、体重変化、神経症状、酵素活性、蓄積量の減少、移植した細胞の生着および酵素活性の組織内分布、移植に伴う副反応の有無等を総合的に定法に従い解析する。 (2)SDマウスへの移植実験 臨床への適用を想定し、免疫抑制剤による免疫制御下での移植実験も視野に入れる。特に、iPS細胞をSDマウスに移植した際に、免疫抑制剤の使用を中止することでiPS細胞(テラトーマ)を排除することが可能かどうかを検討する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
細胞培養のための試薬・器具の購入、解析用試薬の購入を予定している。また成果発表のための旅費も支出予定である。
|