高リン血症を伴う慢性腎不全などの疾患では表皮の老化様変化が認められる。本研究では、高リン血症が表皮ケラチノサイトに老化様変化を引き起こす可能性を検討した。成人皮膚ケラチノサイトを様々なリン濃度で培養した結果、4 mMの濃度において、最も長く増殖を続けることが判明した。至適濃度以外では細胞分裂回数が低下し、表皮分化マーカーの発現が亢進した。しかし、老化関連分泌タンパクの発現上昇は認めなかった。本研究により、過剰な高リン濃度はケラチノサイトへの分化ストレスとなり、早期の細胞老化をもたらすことが示唆された。
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