研究課題
循環する肥満細胞と表現され肥満細胞の代用としか考えられてこなかった好塩基球が、近年、ある状況下でTh2分化を誘導する重要な働きを担うことが明らかになった。しかしながら、アトピー性皮膚炎の様な皮膚免疫における好塩基球の役割は明らかにされていない。そこで申請者らは肥満細胞もしくは好塩基球を特異的に欠損できるマウス(Mas TRECK Tgマウス、もしくはBas TRECK Tgマウス)を用いることにより、アトピー性皮膚炎における肥満細胞もしくは好塩基球の役割の解明を図った。好塩基球が欠損したマウスでは、タンパク抗原曝露によるアトピー性皮膚炎の誘導では野生型マウスと比べて変化はないが、ハプテンやペプチド抗原により誘導されるアトピー性皮膚炎モデルにおいては、反応が減弱した。さらに、好塩基球が所属リンパ節に集積し、そこでIL-4を産生しながら抗原提示を行うことを見出した。以上の結果より、従来役割が不明であった好塩基球がある種の抗原に対するアトピー性皮膚炎の発症において重要な役割を果たしていることが明らかとなった。
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Nature Communications
巻: 4 ページ: 1739
10.1038/ncomms2740
http://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/~skin/