研究課題
眼型粘膜類天疱瘡について、まずヒトケラチノサイト培養細胞から豊富なヘミデスモソーム蛋白を有する画分の単離法を確立した。このサンプルは、ヘミデスモソーム構成蛋白であるプレクチン、BP230、BP180、ラミニン332、インテグリンアルファ6、インテグリンベータ4を豊富に含んでいる。この基質を用いて新しい免疫ブロット法により、半数以上の患者血清がインテグリンベータ4に反応することを見いだした。同方法において、眼粘膜類天疱瘡以外の多くの自己免疫性患者血清はほとんどインテグリンベータ4に反応しなかった。さらに、眼粘膜類天疱瘡患者血清がインテグリンベータ4のどのエピトープと反応しているか確認するため、有核細胞発現系を用いて、インテグリンベータ4細胞内ドメインのリコンビナント蛋白を作製した。この細胞内ドメインのリコンビナント蛋白を用いた免疫ブロット法で6割以上の患者血清が反応を示した。これに対して、追加で行ったインテグリンベータ4細胞外ドメインの大腸菌発現リコンビナント蛋白を用いた免疫ブロット法ではほぼ反応は認められなかった。以上から、インテグリンベータ4が眼型粘膜類天疱瘡の主要な自己抗原であること、患者血清はインテグリンベータ4の細胞内ドメインに反応することが示唆された。次に、多くの抗ラミニン332型粘膜類天疱瘡および抗ラミニンガンマ1(p200)類天疱瘡の血清について、ヘミデスモソーム画分および各種のラミニン鎖特異的リコンビナント蛋白を用いた免疫ブロット法を施行した。この研究により、特に、抗ラミニンガンマ1(p200)類天疱瘡の一部が、ラミニンガンマ1に加えて、他のラミニン、特にラミニンアルファ2に高率に反応することを示した。この研究は、ラミニンアルファ2が自己抗原になりうることを示した初の研究であり、現在、さらに詳細に検討を進めている。
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