研究課題
①昨年度はマウス恐怖条件付けパラダイムを用いたパラダイムで、雌雄による恐怖消去に必要な日数の差を示した。今年度は、社会的交流の治療的差異が恐怖消去学習実験時に存在するかを、同種マウスの存在下に確認した。結果、同種個体の存在は、恐怖消去学習時に恐怖反応を減弱させる一方で、恐怖消去学習の固定は単独条件下と変わらなかった。人の認知行動療法条件下で、恐怖消去学習時に援助者が存在すると消去学習の成果に悪影響が出ることが指摘されている(Craske,2008)。我々の結果は、そのような悪影響は必ずしも生ずるものではなく、適切な援助者の存在で患者にとって心理的障壁の高い曝露療法に導入しやすくできる可能性を示唆すると考えた。②高校1年、2年生950人に調査用紙を配布し、有意に女子がうつ、社交不安が重度であった。女子学生群に関しては、ADISのうつ病の日常機能評価項目スコアが3以下の抑うつ障害なし群(n=155)と4以上の抑うつ障害あり群(n=208)にわけて分析を行ったところ、女子抑うつ障害あり群において、障害の重症度とDSRSCの“遊びにでかけるのが好きだ”の項目に負の相関がみられた。女子抑うつ障害群において、「遊びに出かける」動スケジュールによる行動活性化、ストレスコーピング増強の有効性が示唆された。一方で社交不安障害の個人認知行動療法における有効性に関して男性13名、女性8名を検討したところ、有効性に有意差はなかった。思春期の女子うつ病に対する認知行動療法に独自プログラムを開発した。
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