神経細胞死の機序に関しては不明な点が多い。本研究では熱ショック蛋白であるHsp70.1を中心とした蛋白質-膜脂質間相互作用を検索した。オートファジーに関わる分子連関を検索することで、リソソームの破裂により生じる神経細胞死の全容を究明した。その分子機構には、「calpain-mediated cleavage of carbonylated Hsp70.1」があることを発見した。Hsp70.1の機能がカルボニル化とカルパイン分解によって障害されるため、BMPとの結合が障害され、ASMの機能低下が起きる。その結果スフィンゴミエリンの分解が阻害され膜を安定化するセラミドが減少しリソソームは破裂する。
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