研究課題/領域番号 |
24659541
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
棟居 俊夫 金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任教授 (50293353)
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研究分担者 |
菊知 充 金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任准教授 (00377384)
下道 喜代美 金沢大学, 医学系, 研究員 (70569475)
吉村 優子 金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 研究員 (70597070)
上野 沙奈絵 金沢大学, 医学系, 研究員 (80569476)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 児童青年期精神医学 |
研究概要 |
15歳から29歳までの双極性障害(Bipolar Disorder, BD)患者、自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorder, ASD)患者、健常対照者を対象として、MRI撮像、ロールシャッハ・テスト施行、3種の自閉症傾向を評価する質問紙(Autism-spectrum Quotient、Empathy Quotient、Systemizing Quotient)への記入、強迫症状を評価するDimensional Yale-Brown Obsessive-Compulsive Scaleへの記入を行った。MRI画像の解析および強迫症状の評価は進行中である。 ロールシャッハ・テストの結果を記す。BD患者41名、ASD患者41名、健常対照者45名を対象とした結果、エクスナーの包括システムによる解析を行い、142の変数のうち、動物運動反応(FM)と純粋形態反応(pure F%)のみに有意差を認めた。すなわち、FMは、BD群およびASD群が健常対照群に比べて有意に少なかった。Pure F%は、BD群およびASD群が健常対照群に比べて有意に多かった。またFMはAutism-spectrum Quotient(AQ)と有意な正の相関を示し、pure F%はAQと有意な負の相関を示した。以上より、視覚認知の観点から、BDとASDは健常とは異なる、何らかの類似した特性を有している可能性が示唆された。 MRI撮像は、BDにて44名、ASDにて47名、健常対照にて52名において終了し、強迫症状質問紙記入は、BDにて31名、ASDにて31名、健常対照にて63名において終了し、それぞれ解析を検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ロールシャッハ・テストの施行は終了した。 MRI撮像は引き続き施行していく予定であり、MRIのデータベースの作成につなげることを検討している。 今年度から作成済の自傷行為判定表日本語版を使用した評価を行っていく予定である。 未施行の課題は、脳磁図の記録および思考障害の評価である。
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今後の研究の推進方策 |
15歳から29歳までの双極性障害(Bipolar Disorder, BD)患者、自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorder, ASD)患者、健常対照者を対象として、下記の項目について計画を踏まえて実施していく。 1.MRI撮像:順調に進行しているので、画像のデータベース化も検討している。 2.別の研究課題として作成してきたDeliberate Self-Harm Inventory日本語版を上記対象者に施行する。 3.脳磁図の記録および思考障害(自生記憶表象およびracing thought)に関する評価表への記入の準備を行う。 以上により、BDおよびASDの生物学的な類似性に関する研究を続けていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
予定していた学会参加の中止、予定していた謝金支払いの一部が取りやめとなったために、121,100円の助成金が生じた。この分は翌年度の学会研究会への参加費用、謝金の使用に充てる予定である。
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