研究課題/領域番号 |
24659542
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
武井 教使 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 教授 (80206937)
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研究分担者 |
松崎 秀夫 福井大学, 子どものこころの発達研究センター, 教授 (00334970)
岩田 圭子 福井大学, 子どものこころの発達研究センタ-, その他 (30415088)
和久田 智靖 浜松医科大学, 医学部, 助教 (80444355)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 統合失調症 / エピジェネティクス / 仮死モデル / DNMT |
研究概要 |
本研究計画の目的は、統合失調症の疫学研究結果に立脚した動物モデルである周産期仮死モデルを用い、このモデルの脳と統合失調症死後脳とに共通する脳内遺伝子発現のエピジェネティック変異を、特にドパミン神経系の感受性亢進に注目して探索し、もって病態メカニズム解明の一助とすることにある。 平成24年度は、周産期仮死モデルラットを作成し、その脳サンプルのメチル化酵素の発現解析を行った。具体的には、周産期仮死を経験させた動物を生後6週、または、12週の時点で屠殺し脳を取り出し、メチル化酵素DNA methyltransferase 1 (DNMT1), DNMT3aおよび DNMT3b のmRNA発現を定量的real time RT-PCRで、タンパク質発現をイムノブロット法で測定した。その結果、定量的real time PCRについてはプライマーのデザインに問題がある可能性が明らかとなり、イムノブロット法についても予備実験の段階で用いた抗体によって異なる結果がみられ、エピトープの設定によって結果が左右される可能性が考えられた。このため、ヒト死後脳サンプルを用いた解析は次年度に行うこととした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予備実験において仮死モデルラット脳内メチル化酵素発現評価のために有用なプライマー、抗体を決定できず、評価系の確立に時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
脳内メチル化酵素発現の評価系確立を急ぐとともに、脳内分子の網羅的なプロテオミクス評価による仮死モデル研究を併行して、仮死モデル脳内で発現が変化している分子の同定を進め、最終的に標的とすべき遺伝子メチル化の評価・ヒト死後脳サンプルを用いた解析につなげる方針である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費は、定量的real time RT-PCR、イムノブロット法、プロテオミクス評価法に用いる試薬の購入、および、動物の購入・飼育費にあてる予定である。
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