本研究の目的は、成人ASD 者を対象に、脳幹の解剖学的変化をMRI で、ミクログリア活性化をポジトロン断層法(PET)でそれぞれ計測するとともに、感覚処理の異常を国際標準的評価法であるSensory Profile で調べ、これらの相互関係を明らかにすることにある。 平成25年度は、前年度に引き続き成人ASD 者と性・年齢を一致させた健常成人を選定し、Sensory Profile による感覚処理異常の評価を含む臨床症状評価を行った。その後、活性型ミクログリアを標識する[11C](R)-PK11195 をトレーサーとして用いPET で計測した。平成25年3月末までに成人ASD者20名、健常成人20名について臨床評価と画像検査を終了した。その結果、大脳辺縁系に属するいくつかの脳部位で、感覚処理異常の重症度とミクログリア活性との間に統計学的に有意な相関が認められた。この所見について、現在論文を作成中である。
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