自閉症スペクトラム障害(ASD)の重要な特性として感覚刺激への反応異常がある。この特性の基盤に想定される感覚処理障害の責任脳部位として、脳幹をその候補と考え本研究を実施した。成人ASD者20名を対象に感覚処理障害をSensory Profileによって評定するとともに脳内ミクログリア活性をPETにより計測し、両者の関係について検討した。その結果、脳幹ではそうではなかったが、前部帯状回におけるミクログリア活性が高いASD者ほど感覚刺激への反応異常が重度という相関関係が認められた。本研究から、前部帯状回を中心とするネットワークの異常がASDの感覚処理障害に関与していることが示唆される。
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