研究課題/領域番号 |
24659545
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
村井 俊哉 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30335286)
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研究分担者 |
後藤 励 京都大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (10411836)
野間 俊一 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40314190)
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キーワード | 精神医学 / 神経画像 / 行動経済学 / 依存症 |
研究概要 |
平成24年度に引き続き、病的賭博群および対照群の行動データと機能的MRI画像のデータを収集し、結果の解析・報告を行った。とりわけ、非特異的報酬(依存対象以外の全般的報酬)に対する報酬系の活動を評価する課題として既に確立されているmonetary incentive delay task: MIDT (Knutson et al., 2000)を用いたfMRI研究は順調に進み、23名の病的賭博群および年齢・性別などをマッチさせた対照群の解析を終了した。結果、本課題での報酬予測時点において、病的賭博群では島皮質、帯状皮質を含む領域で、対照群に比して神経活動の低下が認められた。特に島皮質においては、この神経活動は、罹病期間と逆相関がみられ、同部位の報酬関連課題関連の神経活動が、病的賭博の病態の進行のマーカーとなりうることが示唆された。本研究成果は、現在、学術論文として投稿中である。 加えて、病的賭博を特徴づける「損失の深追い」にも着目し、行動経済学の観点からの「埋没費用効果(sunk cost effect)」にあたるのではないかと解釈の下に、sunk cost effectが生じている際に意思決定を行う際の脳活動をfMRIにて評価した。結果として、結果、病的賭博群では同課題実施時の賦活領域が健康被験者群と異なることが明らかになった。同じ課題を行うときに動員される認知プロセスの違いから、本結果の解釈を進めており、学術論文として投稿準備中である。
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