研究課題
汎用性のある追跡照射を行うためにはMLC による追跡がもっとも適していると考えられる。もっとも簡単な機構の追跡照射法はMV-X 線の画像そのものを使うこと、すなわちElectric Portal Imaging Device (EPID)で得られる画像を使うことであるが、コントラストが悪くMV の透視画像は追跡照射には使えないと考えられている。我々が従来、研究していたマーカレス追跡法の開発過程で、新たに開発に成功したマーカレス画像処理法「動的合成抽出」(Dynamic Synthetic Extraction: DSE)アルゴリズムを使うことよって、EPID の画像そのものを使う追跡の可能性が生まれた。本年度は、昨年度検証した撮影モードが低サンプリング周波数の被写体ぶれ問題に対し、高サンプリング周波数の撮影モードの場合に対する考察を行った。すなわち、従来のテンプレートマッチングによる腫瘍位置計測法をはじめ,腫瘍形状の変形にも対応可能な拡張である多点ランドマーク法,画像ヒストグラムの利用によりテンプレートマッチングの問題点を改善可能なMean Shift法,そして新たに開発したオプティカルフローに基づく方法を用いて,EPIDによるマーカレス腫瘍計測実験を行った。その結果,新手法の性能は他の最新手法よりも優れていることが示され,臨床応用に向けて有望な知見を得た。また,kV-X線とMV-X線の両方によるファントム撮影を行い,画質,サンプリング周波数,ならびに撮影タイミングの相違に対する種々の工夫,対策により,両者を統合した3次元計測が可能であることの基礎的実験結果を得た。
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IEICE Trans. Fundamentals
巻: E97-A No.3 ページ: 809-819
Computational and Mathematical Methods in Medicine
巻: 2013 article ID 390325 ページ: 9 pages
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