研究課題
ヒトの各種液体空間での薬物分布の空間的、時間的可視化を行うため、昨年度に続いて健常者のガドリニウム造影撮影の例数を増加させた。また解析をすすめ、まず、前眼房、視神経周囲くも膜下腔、脳脊髄液、外リンパ液、メッケル洞などへの造影剤の移行の時間経過と程度を測定し、論文化することができた。さらに健常者における内リンパ水腫の程度の定量を、造影剤静注後の時間経過ごとで測定し、至適な撮像タイミングが静注後3-6時間の間であることをしめした。これら結果は、Magnetic resonance in medical sciencesに原著論文として2編投稿し、採択されin pressとなっている。ほかの、領域としては、膵臓の膵液へのガドリニウム造影剤の移行も健常者で検討をすすめており、撮像法の最適化、ボランティア撮像まで進行し、解析もすすんでいる。中間結果は2014年3月のオーストリアでの欧州放射線学会にて発表した。つまり排泄性膵管撮影の可能性も示すことができた。さらに尿路、唾液への移行を検討する準備をしている。迷路については、撮像法の短縮化も図り、従来30分以上の長時間を一回の撮像にかけていたが、さまざまな工夫により、10分でも同程度の情報が得られることをしめし、これも2014年3月のオーストリアでの欧州放射線学会にて発表した。この結果も、さらに症例数を増やして、国内外の学会で発表した後、論文化する予定である。
2: おおむね順調に進展している
研究概要にも記載したが、内耳、脳脊髄液、前眼房液、膵液などですでに論文化もしくは国際学会発表レベルの知見が得られている。また、唾液、尿路でも検討を開始している。
上記のように順調に推移しているので、計画通り、健常者のみでなく、病的な状態においてもデータを収集し、臨床的な有用性の検討へ進む予定である。まずは健常者の増加と解析が終わっていない、唾液、尿路での検討をすすめ、同時に患者データでの検討も開始する。この課題の遂行の過程で、新たな萌芽的なアイデアも生まれてきているので、より波及効果の大きなイメージングバイオマーカーの確立につなげるように本課題を深化、進化させる。
研究補助者を雇用する予定であったが、自らデータ入力を行った為、雇用は見送った。またデータの解析に既存の計算機が利用できた為。データ量の増加に伴い入力作業の増加が予測され、自らデータの入力作業をすることが困難となる為、研究補助者を雇用する予定である。海外出張旅費を支出する予定である。
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