成人の6 割程度は水でできている。血液、脳脊髄液、眼球、内耳、唾液、消化管液、リンパ液など多種類の“液体空間”がある。それぞれの腔が何らかの関門を有することにより、薬物の分布が制御されている。ヒト生体内の局所の各種“液体空間”における経時的薬物動態を非侵襲的に可視化、定量化することは医学の様々な領域における発展の基礎となる。我々は従来まで検出出来なかった極めて微量のガドリニウム造影剤を可視化することに簡便かつ臨床応用可能なMRI 技術で、世界ではじめてヒトにおいて成功し、内耳迷路や眼球、視神経周囲脳脊髄液、脳室、脳血管周囲腔などで研究を進めて、それぞれの液体空間の特徴を明らかにした。
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