研究課題
本研究ではマウス腫瘍モデルを用い1回大線量の放射線治療後の腫瘍内低酸素の変化、HIF-1活性の変化、血管構築の変化を経時的に評価した。抗腫瘍効果との関連をみると同時に正常組織への大線量照射の影響も評価し、治療の最適化および治療効果を増強する因子についての検討も試みた。肺がんの体幹部定位放射線治療は手術困難な高齢の患者に有効であることが臨床上、明らかになってきているが、いまだに最適な線量分割、総線量及び総治療期間については不明である。臨床的にいろいろな線量分割での治療が試みられているが、具体的な生物学的根拠には乏しく評価が難しいため、本研究において基礎的な検討を試みた。ヌードマウスにHIF-1応答性のルシフェラーゼ遺伝子を導入したヒト肺がん細胞H441 を皮下移植した腫瘍モデルを用い、移植腫瘍への局所放射線照射後のHIF-1の経時的な変化を光イメージングで観察し、腫瘍内の低酸素領域の変化について検討した。HIF-1イメージングを参照して治療効果が最大となる2回目の照射スケジュールの検討を開始し、抗腫瘍効果が最大となる最適スケジュールについては検討を行った。同時に腫瘍組織の免疫染色からHIF-1、pimonidazole の陽性領域と血管の位置関係と照射後のタイミングについて検討を行った。放射線治療の効果を増強する新たな治療標的の候補についても検討を行ったが、有意なものについては明らかにすることができなかった。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件)
Nature Communication
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