研究課題/領域番号 |
24659565
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
秋末 敏宏 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90379363)
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研究分担者 |
河本 旭哉 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (30420558)
原 仁美 神戸大学, 医学部附属病院, 特命助教 (40437489)
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キーワード | 炭酸ガス / 悪性腫瘍 / 放射線治療 |
研究概要 |
1.in vitroでの低酸素状態と放射線照射効果 悪性線維性組織球腫(MFH)の細胞株であるNara-H細胞を3つの異なる酸素状態下(20%酸素、1%酸素、1%酸素→20%酸素)にて、48時間単層培養後、3.2Gyの放射線照射を行った。1%酸素および1%酸素→20%酸素下での培養では、HIF1-alphaの発現が亢進していた。また、放射線照射により、1%酸素下培養より、20%酸素および1%酸素→20%酸素下での培養では、活性酸素種(ROS)の増加とapoptosisの亢進が見られた。 2.骨軟部悪性腫瘍細胞移植モデルマウスの作成 ヌードマウス(male athymic BALB/c)背部皮下に悪性線維性組織球腫(MFH)の細胞株であるNara-H細胞 4,000,000個を移植し、悪性腫瘍細胞移植モデルマウスを作成した。 3.MFH細胞移植モデルマウスに対する炭酸ガス経皮投与および放射性治療の効果 MFH細胞移植モデルマウスを4群(コントロール、炭酸ガス単独治療、放射線単独治療、炭酸ガス+放射線治療併用 各群6匹)に分け、それぞれの治療を行った。腫瘍体積を経時的に計測したところ、2週間(週2回、計4回治療 炭酸ガス治療1回10分、放射線治療1回0.8Gy)後に、コントロール群に比較し、炭酸ガス単独治療群、放射線単独治療群、炭酸ガス+放射線治療併用群、すべての群で腫瘍体積は、有意に小さかった。また、炭酸ガス+放射線治療併用群では、炭酸ガス単独治療群、放射線単独治療群と比較して、腫瘍体積が、有意に小さかった。体重減少などの副作用は、各群とも認めなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に平成25年度行う予定であったin vivoでの予備実験は終了しており、本実験も開始されている。よって、おおむね順調に進展していると評価する。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度に行う予定の研究計画は以下のとおりである。 1、in vitroでの低酸素状態と放射線照射の効果、ROS活性化、apoptosisの亢進について、分子メカニズムをタンパクレベルで詳細に解析する。2、MFH細胞移植モデルマウスに対する炭酸ガス経皮投与および放射性治療の抗腫瘍効果について、ROS活性およびapoptosisの亢進に注目し、タンパク・分子レベルでの機序について解析する3、最終年度であるので、これまでの研究成果について、学会発表および論文作成を行い、公表する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度に研究費残額が生じた状況としては、物品の購入が予定より、少なく抑えることができたためである。 平成25年度からの研究費残額は、平成26年度の研究において、試薬購入費、実験動物購入費として使用する予定である。研究計画に変更などはない。
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