研究課題/領域番号 |
24659567
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
栂尾 理 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10452749)
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研究分担者 |
大和 真由実 九州大学, 先端融合医療レドックスナビ研究拠点, 准教授 (30380695)
樋渡 昭雄 九州大学, 大学病院, 助教 (30444855)
吉浦 敬 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40322747)
本田 浩 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90145433)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | alzheimer disease |
研究概要 |
アルツハイマー病におけるアミロイドプラークの検出や、免疫療法による治療効果の判定、副作用発生のモニタリングを生きたヒトで行うことができるMRI 画像法はこれまでにない。本研究ではUltrasmall Superparamagnetic Iron Oxide(USPIO)造影剤を用いてアルツハイマー病脳内のアミロイドプラークに集まる貪食細胞(ミクログリア)を検出し、アルツハイマー病の超早期診断を目指したMRI 画像法を開発することを目的とした。本年度はADモデルマウス(Tg6799)および対象wild typeを用いて、MR撮像シークエンスの最適化およびUSPIOによるアミロイドイメージングのfeasibilityについて検討した。9.4Tの小動物用MRI装置を用いて7~12ヶ月齢のTg6799マウスを対象とし、P904(USPIO) 1000micromol Fe/kgの投与前後でMRIを撮像した。まず予備実験として2D FSE法および3D GRE法における最適な撮像パラメーターを決定した。その後12ヶ月齢までのモデルマウスにおいて、縦断的なMRI 撮像を行った。12ヶ月の時点で、2D FSE法では明らかなマイクログリアへのUSPIOの集積を検出できなかったが、3D GREではTg6799マウスにて点状のT2*短縮域として同定できた。現在は鉄染色などによるミクログリアへのUSPIOの集積の有無について検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究ではUltrasmall Superparamagnetic Iron Oxide(USPIO)造影剤を用いてアルツハイマー病脳内のアミロイドプラークに集まる貪食細胞(ミクログリア)を検出し、アルツハイマー病の超早期診断を目指したMRI 画像法を開発することを目的としている。本年度の目的であるMR撮像パラメータの最適化、USPIOの投与量の決定については当初の目的を達成できたと思われるが、組織上でのUSPIO粒子、ミクログリア、アミロイドプラークの比較については現在行っているところであり、その結果はまだ得られていない。
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今後の研究の推進方策 |
今後はUSPIO造影MRIにて見られる点状のT2*短縮域が、アミロイドプラークに集積しているかどうかを組織学的に確認する。MRI を撮影したモデルマウスをMRI 撮影後に屠殺し、脳組織標本を作製する。Ex-vivo のMR画像と染色標本を比較して、USPIO 粒子とアミロイドプラークに集まるミクログリアの位置が一致することを確認する。鉄(USPIO 粒子)⇒Pearl 染色、ミクログリア⇒CD45、アミロイド⇒Congo red染色を行う。 また、受動免疫による免疫療法施行前および施行後の異なる時点でUSPIO 造影MRI を撮影し、画像とマウスの行動学的変化、組織学的所見を比較して、画像所見から治療効果の判定・予測、脳炎などの副作用のモニタリングが可能かを検討する。モデルマウスを使用(n=30 程度)。受動免疫は、1 マウスモノクローナルIgG2a 抗体を週1回腹腔内投与して実施。コントロールとして、アミロイドと無関係の抗体による受動免疫を行う群を準備。免疫療法実施前、実施1ヵ月後、2ヵ月後、および3ヵ月後にそれぞれオーバーハウザー効果MRI とUSPIO 造影MRI を撮影。同時に、マウスの全身状態、行動学的変化(水迷路での課題遂行能)を調べ、副作用発生や認知機能改善の指標とする。治療の有無、治療後の各時期について、USPIO 造影MRI、オーバーハウザー効果MRI、組織学的所見、全身状態や行動学的所見を比較する。
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次年度の研究費の使用計画 |
上記のTg6799マウスモデルマウスの疾患群とwild type群を数を増やして撮像する。20匹で約1250000円が必要となる。組織学的検査としてPearl 染色、ミクログリアのCD45染色、アミロイドのCongo red染色をそれぞれの摘出標本を撮像する。またUSPIO造影剤の購入費用が必要である。
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