本研究は、低線量であるが放射性セシウムに汚染された土壌を床敷に混入し、5週間後に放射性セシウム内部被曝がインスリン感受性に及ぼす影響について検討した。通常餌群では放射性セシウム内部被曝は糖代謝に影響を及ぼさなかった。高脂肪食負荷によるインスリン抵抗性状態では放射性セシウム内部被曝はインスリン抵抗性が増悪したが、アディポネクチンにより、そのインスリン抵抗性は改善した。 以上の結果より、放射性セシウム内部被爆は、正常耐糖能状態では糖代謝に影響を及ぼさないが、インスリン抵抗性状態では悪化させる可能性が示唆された。また、そのインスリン抵抗性はアディポネクチンにより改善させる可能性が示唆された。
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