研究課題
目的と実験計画:低酸素暴露期間と脳組織および脳血管病態の経時変化を検討した。本研究では、低酸素暴露時に起こる脳血管の発芽の形態的な変化に対応した病態生理を経時的に解明するために、血管新生に付随する現象をPET、ARG、免疫染色にて検討した。生後8週から12週齢のB6マウスを8~9%の低酸素チェンバーで飼育した。PETでは、脳組織ミクログリアの活性化に伴うTSPOの発現を調べるための[C11]PK11195の集積、また、血管新生時のαVβ3インテグリン発現を見るため [Cu64]RAFT-RDGの集積を、それぞれ独立個体で測定した。後者についてはPET測定後にARGを行った。いずれも低酸素暴露期間はコントロール(D0)、4日(D4)、7日(D7)、14日(D14)について検討した。同じ低酸素暴露期間のマウスでIba1、CD31、D61の免疫染色を行い、ミクログリアの活性、血管内皮細胞の発生、インテクリンの発現を検討した。結果と検討:1)[11C]-PK11195測定。MRIにレジストレーション後に30分から60分積算のSUVを比較した結果、脳内のいずれの領域でもD4で最大集積値を示した。TSPOの発現がD4で最大ということは、形態的な脳血管の発芽のピークに先立ってミクログリアが活性化することが示された。免疫染色でもIba1のミクログリア染色がD4で最大であることが確認された。2)[Cu64]-RAFT-RGD測定。脳への取り込みが低く60分から90分のSUVの対応ではD7よりD14が上昇が示されたが、投与3時間後のARGでは脳組織内に取り込まれずに脳槽内だけに放射能が検出された。PETの分解能では脳実質放射能と判別困難であったと解釈した。したがって、90分SUV値でD7に対するD14の高値が血管新生インテグリンの発現によるものかどうか結論するのは困難であると考えられる。一方、低酸素暴露期間毎の免疫染色でも、脳組織内にはインテグリンの発現を示すCD61の染色がなかなか見られず、インテグリン発現のピーク時期を確認するのは困難であった。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件) 学会発表 (9件) (うち招待講演 1件)
Frontiers in Bioscience Elite Edition
巻: 6E ページ: 62 - 68
Molecular imaging and biology
巻: 16 ページ: 395 - 402
Nuclear Medicine and Biology
巻: 41 ページ: 102 - 105
Journal of Cerebral Blood Flow & Metabolism
巻: 33 ページ: 1 - 7
Physics in Medicine and Biology
巻: 58 ページ: 7889 - 7903
Brain Research
巻: 1537 ページ: 350 - 355
Journal of Cerebral Blood Flow and Metabolism
巻: 33 ページ: 1440 - 1447
Advances in Experimental Medicine and Biology
巻: 789 ページ: 419 - 425
巻: 789 ページ: 15 - 20