研究課題
Fra-1発現が細胞増殖、浸潤能に及ぼす影響を解析するため、食道扁平上皮癌細胞株であるTE2、T.Tnを用いて検討を行った。Fra-1発現をStealth RNAi siRNA(Life Technologies)をNeon Transfection System(Life Technologies)にて細胞株に導入しノックダウンを行い、90%程度の発現抑制が得られた。次いで増殖能および浸潤能の評価をCell Counting Kit-8(Dojindo)、BD BioCoat BD Matrigel Invasion Chamber(Becton, Dickinson and Company)を用いて行った結果、コントロールに比して有意に増殖、遊走、浸潤能が抑制されることが確認された。また転写因子であるFra-1がどのような遺伝子、遺伝子群を制御しているかを検討する目的で、ノックダウンによる遺伝子発現変化をマイクロアレイによる網羅的解析法にて行った。マイクロアレイには GeneChip Gene 1.0 ST ArrayのHuman Gene 1.0 ST Arrayを使用した。結果、TE2、T.Tnの双方にてFra-1をノックダウンすることによる遺伝子群をBiobase Upstream AnalysisおよびPromoter Text Reportを用いて解析した。その結果、Fra-1→HMGA1→HMMRのpathwayが同定された。そこでHMMRの食道扁平上皮癌臨床検体中における発現をReal-time PCR、免疫染色を用いて検討した。その結果、HMMRが癌部で非癌部に比し強く発現しており、HMMR発現とFra-1発現との間に正の相関が確認された。 またHMMRの高い発現が独立した予後不良因子であることが示唆された。
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